■2011年11月08日(火)
「悪人」を観た
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テレビでやってましたね。 今日観ました。
なんつーか、小難しい感想を書く気になれないのでさらっと。 人を殺した人間の気持ちはわからない。家族を殺された人間の気持ちもわからない。 ただ、主人公含む現代社会の若者の、場面場面の心理描写が非常に良く表現されていた。「わかる」「そうなるよな」そんなことを思いながら観ていた。 そして悪人ってなんだろう・・・と言う漠然とした感想。 映画としての構成やシナリオとかよりも、もっと大まかな印象が残る作品だった。 今現代を生きる20〜30代には是非とも観て欲しい日本映画の名作だとは思えた。
そう・・・自分も日常は登場人物のように、空虚感、もの寂しさ、憂鬱な気持ち、表面で取り繕う充実感などに囲まれて生きているから。
深津絵里はさすが受賞女優だが、妻夫木聡も名演技者だと思う。 | | |
■2011年07月17日(日)
コクリコ坂からを観てきた
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全国のジブリファンのよい子のみなさん、こんにちはー
'`ィ (゚д゚)/ こんにちはー
スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」を公開二日目で観てきましたよ〜 以下感想
朝から映画館は子連れオンリーと思えるほどPTAの皆さんであふれかえっていた・・・が、それはポケモン効果だ!コクリコ坂からの前評判はおろか、予告編もストーリーも何にも知らずに来てるけど、おそらく小学生以下には理解不能であろう。気にするな。
え〜とこの映画、パヤオこと宮崎駿の息子吾朗の「ゲド戦記」に次ぐ第二弾映画なのだ・・・が、ゲド戦記は劇場で見ていない。テレビで観たが非常に微妙な出来だったことを覚えている。どうなることやら。
■ 昭和三十年代ラブコメ
この映画のターゲットは・・・よくわからんが団塊世代が入っていると思う。だって舞台設定が昭和三十年代。東京オリンピック前の横浜にある高校が舞台だ。 その舞台設定というか時代描写で前半の結構な時間を割くくらい、この年代を強調したい様子だった。この時点で三丁目の夕日世代には観る価値が出てくるかもしれない。 ジブリなので背景描写は美麗で緻密、故に「動く」部分がメチャメチャ浮いて見える。最近特に顕著ではないだろうか。
主人公はしっかり者で真面目で一途な女の子、海。この海が何故作中で「メル」と呼ばれているのか一切説明がないので、当初別の人物がいるのかと思ってしまった。原作の前知識が必要。このへんの端折り具合がゴロー監督っぽい感じだ。 相変わらず、人好きさせるヒロイン像を造るのが得意なジブリ。悪く言えばステレオタイプなヒロインなのだが、主人公ダメだと映画全体がダメになるからね、仕方ないね。昭和三十年代らしくおさげの髪がトレードマーク。 相手役の爽やか少年もやっぱりステレオタイプ。そんな二人がメインだから、ジャンル分けするなら青春恋愛モノ・・・かな?ネット文化的には「リア充爆発しろ」な展開なので、「耳をすませば」が苦手な人は今回も無理だろう。
■ 海辺の街、船乗りという設定の謎
この映画、やたら国際信号旗(船舶間通信に使われる旗によるメッセージ)が登場するのだが、結局の所メインのストーリーにそんなに絡んでこないし、親が船乗りという設定だけで登場している気がする。 実際に予告編(先ほど閲覧)も「旗を掲げる少女」「海から来る少年」をメインテーマにおいている。しかし、映画の大半はこの設定無しでいけてしまう。もちろん物語のきっかけが国際信号旗だったし、物語の収束も船乗りが関わるんだけど、最初と最後だけという感想。・・・メインは学園ラブコメだからね。
■ 体験した人には懐かしい?当時の描写
昭和三十年代。今時の学生とは違う当時の学生生活をリアルに表現している。もちろんそんな時代にσ(^^)は居ないけど。 学生たちが主義主張を叫び、語り合い、団結していたまさに学生運動の時代。 物語のキーである建物の様相がとてもリアルで、観ていて楽しめた。想像上ながら当時の風景が浮かんでくるような・・・流石ジブリの背景は半端じゃない。もちろん、街の様子や炊事の際の一コマなど、こだわり抜いた「当時」がしっかり描写されている。この辺で文句を言う人間は皆無であろう。下手なドキュメンタリーよりも当時の空気が味わえるのでは?と思ったほど。
■ 大作を期待するな
前作「借り暮らしのアリエッティ」でも述べたが、大作ではない。最近のジブリはトレンディドラマのように原作ありき、になっているので、100分足らずの映画の尺ではどう頑張っても大作にならないし、そもそも選んだ原作がどうも地味目なものばかりなので、これからジブリはそういう方向で行くのかもしれない。今までオリジナル大作を生み出し続けたんだから、それはそれでアリだろう。 ちなみに・・・今回の原作、30年前の少女漫画らしいぜ・・・?(´ρ`)
映画=金をかけた感じのあるド派手でエンターテインメント要素の詰まったもの と考えると、完全に肩透かしを食らう。現実的な題材でそれなりの出来事を綺麗な映像で描く・・・今まであった例としては「耳をすませば」だが監督違いなら「おもひでぽろぽろ」もこのジャンルだろう。 少なくとも歴代ジブリで大作という評価だった「ナウシカ」「ラピュタ」「もののけ姫」「千と千尋」あたりとは全く別物だ。
ただ、構図やカット割りは見事で、劇場アニメとはこういうものだと見せつけてくれる。CG全盛だからできることも多かろうが、手書き手塗りだったらエラいことになりそうなシーンも多かった。ジブリの技術力だろうか?
■ 総評
ああ〜青春恋愛モノ(ありがちだが)っていいな・・・と思える人は見ても後悔はしないだろう。つってもほとんどのジブリ作品は、とりあえずこの評価にはなるんだけど。 何故ジブリを観るかって?そこに緻密な背景描写があるからだ・・・という人も見て良いと思う。これもジブリ作品の評価としては当たり前というか・・・ ストーリーの展開や物語性を求める人には・・・微妙だろう。物語のヤマがあるにはあるが、実に淡々と進行していく印象。 なにげに活躍するカッコカワイイ、ジブリヒロイン目当てなら・・・やめておくことを勧める。真面目で一途な海タンに惹かれたなら見ても損はしない。
ただ、原作でしっかりと性格付けされている登場人物に、ジブリなりの嫌みのないアレンジがされているので、(損得勘定抜きで)やっぱりジブリ映画はいいよね、という感想は得られるはずだ。 (ちなみに原作の概要を知ったのはつい先ほど、ウィキペディアで見るまでは何も知らなかった)
しかし、公開二日目で客席ガラガラってどうよ・・・やっぱ地味だから?(´・ω・`) | | |
■2011年06月19日(日)
映画 「127時間」
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今日観てきました。 ネタバレを避ける感想になるとあまり言うことがないんだけど・・・ つーかレビューサイトなどでめちゃくちゃネタバレしてるけど。
なかなか凄い映画です。 ストレートで、ショッキングで、生々しさもあって、焦燥も安堵もある。
ストーリーは「トレイルラン中に岩場にはまった!動けない!どうする?」だけです。マジでこれだけです。最初の方にトレイルを楽しむシーンがあるんですが、それ以降はずっと主人公は動きません。いや、動けません。
動かないまま、同じ場所で同じ状況のまま、たった一人で映画は進みます。 ここが凄い。
この監督の前作品「スラムドッグ$ミリオネア」も劇場で観たんですが、なかなか斬新な映像ラップとBGM効果を使用していて、この映画もそれで場を持たせているんです。若干、さすがに中だるみは隠せませんでしたが、それをこの程度でおさえたことに脱帽。 もちろん、凄いのは主演俳優ジェームズ・フランコも。この人の一人演技で作品の大半を消化しているんですから、半端じゃない演技力です。実際にこの状況におかれて撮影されてるんじゃないかと思ってしまう部分もあるほど。恐ろしく生々しい人間の生というものを、一歩も動かずに見せてくれます。
主人公が同年代だし、一人でカメラとかビデオで撮影を楽しんでいるところも、窮地でもカメラを回している所なども、共感箇所がありまくったので感情移入できたのでしょう。こんな状況におかれたことなどもちろんありませんが、何となく「あ〜こういうこと、するかも」という部分が多かったのが印象的でした。 遭難した主人公の台詞がほとんどないことで、臨場感を高めることに成功してますし、余計な人物を一切介入させないことで常に緊張してみていられます。乾きの恐怖は遭難者誰もが体験するのでしょうが、これも見事な映像で観客に突きつけてきます。 (遭難して最も恐ろしいことは食料欠乏でも衣服が足りないことでもなく、まず水がなくなることです)
今流行の3Dでもないし、大作と呼べる類の作品でもない、主人公の遭難シーンのみの映画ですが、強烈な印象を残してくれる良作だと思いました。是非この迫力の音と映像をスクリーンで観ていただきたいと思います。
できれば、本当に映画の名前しか知らない状況(ストーリーもネタバレも知らない)で行くのが吉ですね。 | | |
■2010年10月05日(火)
いい時代だった・・・?
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今日、電話機を買い換えた。 15年以上ぶりに。 別に不調な訳じゃないが、子機が使えなくなって数年、インターホン連動型なので子機がないと訪問者に気づかなかったり、鳴るたびに親機のある一階までダッシュしたりとなかなか不便だったので。 今はテレビ付きインターホンが主流なので、我が家の形式に合致する製品をまず調べてから、ヨドバシへ。たいした機能も使わないので標準的なモデルを1万円弱で買った。子機一個付き。 なんでも、当時のインターホン連動子機付き電話機は10万円くらいしたらしく、時代の流れを感じた。
■ バブル期の映像 〜私をスキーに連れてって〜
あまり関連はないのだが、ふと昔聴いた覚えのあるヴィクトリアCMソングを探していたら、リンクに「私をスキーに連れてって」を発見、視聴した。 なんというのだろうか、子供の頃に感じたスキー、スキー場の感覚が見事によみがえった。 当時、スキーに行く(家族に連れて行ってもらう)というのは特別なことだった(今もその気持ちでいるけど)。そしてスキー場は非日常の別天地であり、最高の空間だったのだ。
白い息を吐きながら車のキャリアにスキーをくくりつけ、渋滞を予測して前夜に出発。深夜のパーキングで熱い飲み物をすすりながら休憩。周りには同じようにスキーをくくりつけた車たち。 スキー場に向かう渋滞の中、雪景色に心奪われ、やがて見えてくるスキー場に感嘆の声を上げる。準備をすませゲレンデに繰り出すと、大勢の人々でにぎわう白い大地には、冬のヒットソングBGMがかかる(当時のね)。 (この場合、ユーミンの曲は無条件でOKとなる。世代的に広瀬香美も可) 夕食を後に滑り出すナイターはまた別格であった。ライトアップされたゲレンデは、昼間とは違う雰囲気。メロウなBGMの中、昼間よりも冷えた空気を切り裂き滑る快感。雪もしまり、調子がいいように思えアドレナリン最高潮。 そんな中、ふと止まって証明に照らされたゲレンデとホテルの風景を見ていると、とてつもないロマンチックな気分にさせられる・・・子供心にもそれだけの印象が、スキーにはあった。 現に、今の今まで、心の奥底にある最高のシチュエーションとは 「ナイターゲレンデにて、意中の女性(彼女じゃなくても可)と過ごす」 ことであると刷り込まれているくらい、当時のスキー場は特別で、楽しくて、神秘的で、ロマンチックであった。
その雰囲気を感じ取れる映像が「私をスキーに連れてって」にはあったのだ。 この映画を懐かしむ世代はおおよそ現在40前後の人々だろう(1987年公開)けど、当時まだ子供だった自分にさえもこれほど懐かしさを感じることができるのは、いわゆる「あの時代はよかった」感があるからなのだろうか。 ついでに見た「JRクリスマスエキスプレス」のCM(山下達郎がBGMのあれ)も見ていてやるせなくなるくらいの気持ちがわいてきた。これも、おそらくリアルタイムで見ていた頃はまだ子供の範疇だったはずなのだが・・・
おそらく、冬や雪に対して、人よりも特別な印象を持っているからそうなるのだと思った。思春期前後に感じたものはおそらくそれ以降のどんなものにも勝る強烈な印象となるだろうから、その時期もちょうど重なったのだろう。
すなわち、σ(^^)の印象深い音楽や映像は1980年後半〜1990年中盤にかけて集中していることになる。確かに、その頃の思い出を振り返るとかなり感慨深いものが多かった気がする。 今度、過去のものを振り返る雑記でも書こうか(今日がまさしくそれだが)。 | | |
■2010年09月02日(木)
韓流の風
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暑い。夏暑い。暑なつい。残暑厳しすぎである。 そんな中、TVを殆ど見ないσ(^^)がつきあいで見ていたドラマが終わったのでちょっと感想でも。
■ TVドラマ 「IRIS」 はんりゅう〜です。初韓流。 冬のソナタもろくに見たこと無かったし、そもそもそのときにはTV離れしてたので、これが初めてまともに見た韓流ドラマってことになりますか。 総制作費200億ウォン、イ・ビョンホン主演と日本人にも取っつきやすいサスペンスアクションを大々的なスケールで描いた本作。全20話(後で知った)と日本にはなじみが薄い話数なので「そろそろ話数的に終わりかな」というのが読めなかった。
内容は、なかなかシビアな南北問題を絡めた本格的なもの。単純に北を悪として描けば単純明快ですが、秘密組織を介入させることで南北問題が関わっているのに、全体的に中立な視点で進むストーリーなのが良くできていました。 推理要素が強く、先が読めないストーリーはなかなか見ていて面白かった。いったい誰が悪で、その組織は何なのか・・・謎が多すぎて伏線回収に苦労しますが、そもそも内容がシビアで登場人物も多いドラマなので、複雑でわかりにくいところも散見されました。 なかなか演技力達者な俳優陣を揃えたようで、ここぞの緊迫感は伝わりましたね。ただ後半になっても真の敵が見えないので、きちんとした目的もなくその場しのぎの急展開が多かった気がします。急展開が多い=息つく暇無し、という点では飽きは来ませんでした。後半は銃撃戦が多すぎた感があります。前半殆ど無かっただけに、事態の収拾を銃撃戦に頼りすぎた感は否めません。 設定に無理がある展開も多々あり、「なんでこうなるんだよ」と思うこともしばしば。まぁそんなの気にしてたら娯楽作品は楽しめませんよ。あと、韓国はよほどクルマに自信があるのか韓国産のクルマしか使用しておりません。どんなプライドだか分からないけど、分かる人から見ればそのこだわりが少々安っぽいですよ。銃器はロシアやアメリカのを使いまくってるのに。クールなドラマなのに、そういうところで格好つけきれないお茶目な部分がありました。もちろんスポンサーとかも関わってるんでしょうけど。 ネタバレはしないので当たり障り無くいうと、最後も何となく読めるオチだったのがちょっと残念。途中まで見てると、「流れ的になんとなくこうなるんじゃないかな」と予測していくんですが「やっぱりそうか」という結末に。
ただ、映画的なサスペンススリルアクションで楽しめる作品です。 所々これぞ韓流!なラブラブシーンが挟まり(音楽もこれでもかというくらいの切ない系ラブソングに早変わり)、気になる人は蛇足に感じるでしょうが、冬ソナの韓流だと思えば許せる範囲でしょう。ヒロインのキム・テヒも日本人に受け入れられやすいヒロイン顔してらっしゃいますし(おめめが大きいんです)。 まだ未見という人は、もしどこかで見る機会があれば見てみてもいいんじゃないでしょうか。ただし、内容はシリアスで複雑で急展開が多いので、ちょっと気楽に見られるドラマではないことを明言しておきます。
しかし、銃撃戦の時のメインキャラの安心感が「こいつ、まるで主人公のようだ」(´ρ`) | | |
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