■日帰り福山旅行?〜後編・観光地時間勝負〜
というわけで、後編です。都合上日付が変わってしまうが、致し方ないでしょう。同日付で更新すると、前の日の日誌に半分上書きされるカタチでそのまま続いてしまうからである。…細かいことですけどね…('A`)
さて、大急ぎで(?)するべき事を終えた我がファミリーは、すでに午後3時、飛行機が7時半発(しかも空港は離れた山の中!)という迫り来る時間の中、少しでも旅行的付加価値を見いだそうと東奔西走するのである。
まずはじめに、比較的福山から近い観光地「鞆の浦」を見ることに。
ここは、先ほどの会合でも母方の親戚…いわゆる地元人が勧めていた、この辺りを代表する歴史ある港町のようだ。地理が分からない中、なんとかパーキングに車を停めると、すぐそばにあったレンタサイクルを利用することにした。余談だが、我がファミリーは何故かレンタサイクル大好きなのである。…実際、地形に左右されるが、平らな地形の観光地では歩いて回るより遙かに効率的である。
鞆の浦。ああ、港町だ…
かなり寂れているが漁港、漁師道具、船、海産物もちらほらと見受けられる。港町特有の生物、港猫も多数見かけた。
歴史は深い様子で、そもそも道が極端に狭い。現代の自動車規格の道とは明らかに一線を画すものがある。チャリでもギリギリ、という道がそこかしこに見受けられる。そう、たとえるなら…鎌倉の裏通りといった趣。ただし、人はほとんど見かけない(まあ平日だし…)。
我々はレンタサイクル屋で入手した手作り観光マップを片手にひたすらにママチャリで縦横無尽に行き交った。ただ…鞆の浦は狭い。同じ場所をぐるぐる回るハメになってしまった。
坂本龍馬が宿泊したという名残の記念碑や、明治時代からたつ石碑などなかなかにヒストリカルなのであるが、ここまで人がいないと「ただの寂れた漁港」の印象が強い。名物鯛ちくわなどもあるようだが、観光地的な土産物屋一軒見かけないのだ。ちなみに、ちょっと古そうな観光旅館・ホテルは見かけたので観光地には間違いないのだと思う。
こんな景色。誰が見ても歴史深いのは一目瞭然なのだが…イマイチ観光地的には「華」がなかった気がする。40分ほどうろついてチャリを返した。マップに載っている周辺名所は見終わったようだ。やたら寺が多いが、寺は正直おなかいっぱいである。
軒下に小魚が干してあったりして、素朴な雰囲気。かなり好きである。店のオバアチャンによると、サヨリらしいが、サンマを小さくしたような外観は、食う場所がないのではないかと思うほどやせ細って見えた。
まあ、こういうブツを狙っているのは間違いなくコイツらなのだろうな。
何匹かいた港猫のうち、やや思い出深い模様のコイツをズームで撮った。ケータイが光学ズーム付きでよかったと思える数少ない場面であろう。港猫は人なつっこいので都会猫に比べれば撮影に適しているが、さすがにあまり近寄ると逃げるからね。
鞆の浦を離れると、もう時計は4時半を回っている。いよいよ時間がない。だが我がファミリーは諦めてはいなかった。もう一カ所、なんとしても回ろうという意気込み…脱帽です。おらは疲れたので後部座席で寝てました。FM広島のBGMを子守歌代わりに…zzz。
目覚めると、辺りはすっかり夕焼け色。今日も1日いい天気でした。
我が車はどうやら丘に登っている様子。ここは黙って行く先を見ていよう。迫り来る夕焼けに後押しされるように、どんどん高度を上げていく。聞けば「明るいウチに着かなければ」といっているので、どうやら景観がよい場所の様子。
そして、丘の頂上に公園がある場所に車を停めた。そこからは徒歩。肌寒い外気に触れて一気に目が覚めた私も、駆け足で丘の上を目指した。そしてそこに広がっていた風景がコレだ。
絶景キターー!!
街、港、瀬戸内海、その周辺の山々。全てがこの風景にあった。つーか、正直ケータイのショボイカメラで申し訳ないが、そのショボイカメラでもなかなかの風景写真が撮れるほどにここは絶景であった。
もしここにデジタル一眼レフでもあろうものなら、日誌史上最大の風景画像を無理に掲載して非難囂々であったことだろう。そして調子に乗って「夕焼け写真館」とか作ってしまいそうな勢いだっただろう。とにかく、それくらい凄い。
冷たい風に吹かれながら、静かに暮れてゆく瀬戸内の風景を眺めていると、ココロが洗われていくように感じる。そして、見る見るうちに照度が落ちて闇に包まれていく雄大な景色は、その表情を百にも変えて見せてくれる。飽きることのない時間であった。
…だが、我々は時間に追われているのだ。忘れてはならない。景色を一通り堪能すると、急ぎ車に戻った。時刻は6時。レンタカーを返すのは6時半だというから、まさにこれから秒刻みで歩を進めなければならない。
計算高いファミリーのおかげで無事レンタカーを帰す時間に間に合った我がファミリー一同。空港までの道は
常にハイビーム状態で走らないと道を見失うような危険な状況であったが、なんとか間に合った。
これで飛行機に乗って無事完了…なわけだが、せっかく広島まで来たのだから、食い物も最後くらい広島らしくシメたいものである。決して広くはない広島空港内を歩き回ったあげくにコイツでシメることにした。
広島お好み焼きである。
三人前注文したのだが、一枚のボリュームが結構素晴らしいものがあって意外にも満腹になってしまった。そば入りお好み焼きは…いわゆる「モダン焼き」であるね。昔ウチで父親がよく作ってくれたアレにそっくりであった。
味は薄めで、ソースもマヨも控えめにしかかけない。あくまで、素材の味を堪能するのが広島流なのか。豚、シーフード、キャベツとなかなかフルボリュームな逸品であった。
その後、お土産まで物色していると案の定フライト時間超ギリギリになってしまった。それでも、間に合ったのは素晴らしいコトであるが…結局我がファミリーは、日帰り日程で葬式から納骨、会食、観光まで済ませてしまった。人間、やればできるものだ。
帰りに皆で言い合った「まるで一泊旅行でもしたかのようなカンジだね」という言葉も、言い過ぎではないと思う。時間つーのは、使い方次第なんだな〜と、しみじみと感じた
普段時間を湯水のように無駄遣いしているボクであった。
めでたしめでたし。