さて、なにから話したものか・・・
かれこれ、膨大な写真と映像がストックされてきた。
雑記もニセコすら更新できない状況だ。
・・・大雪のせいで仕事が激務で・・・今日は無理矢理帰ったので更新。
しかし、直近の大雪について記事にせねばなるまい。
そう、我々はこのとき、スキーに行っていたのだ。新潟は糸魚川まで・・・
シャルマン火打。噂には聞いていたが、まことな豪雪地帯であった。
日本海からほど近いこの山は、とりあえず山にぶち当たった雪雲から、凄まじい量の雪がザクザクと降るのだが・・・湿雪である。
ぼたん雪という方がわかりやすいか。東京に降る雪がそのままの質でドカンと降る感じだ。
まあ、たまたま気温が高かった(おおよそ通して0度付近)せいもあるが、とにかく湿った重い雪が多い。
さて、テレビなどで東京大雪の報は入っていたのだが、いかんせん今はまだ新潟の奥地だ。
半日滑って、まあ深夜に家に帰ればいいやという気持ちでいた。次の日休みだし・・・
というわけで、帰る日も午前中はスキー場でイヤというほど重い雪に埋もれ、その後立ち寄り温泉に浸かってから帰ることにしたのだ。
この考えが、未曾有の大雪害に対してあまりにも甘かったと言うことも知らず・・・紆余曲折あって、立ち寄った糸魚川温泉を出ると午後3時半。
すでに関越道や中央道が雪で通行止めなのはなんとなく知っていたので、大回りで北陸道→東海北陸道→東海環状自動車道→東名高速
のルートで帰るようナビにセット。この時点で、なんと700キロ近い走行距離で深夜0:30着という表示に。
おいおい・・・
という気持ちだったが、仕方なく長距離の心構えを・・・
しかし、糸魚川ICから高速に乗ると、そこでVICSを受信したらしいナビから、「新たなルートが見つかりました」との提案。
なんと、長野道から関越道に抜けるルートが表示されたではないか。
急ぎネットで確認するも、リアルタイムな情報はなし。
ラジオもなかなか交通情報をやらないため、ここで迷いが生じた。
ナビの言うとおりなら、3時間短縮できる・・・これはでかい・・・
決断の時は今。
そう、ここで我々は
ナビの最高峰、カロッツェリアが提案するんだからそこに賭けてみようということで、進路を変えてしまったのだ。速攻で次の親不知ICで下り、一般道を白馬方面へ・・・
延々と洞門が続く険しい山岳地帯にかかる道(R148)を、大糸線沿いに白馬に向かい、スキー場あたりに着いたのは、もうとっぷりと日も暮れた午後6時過ぎ。
遠目に白馬五竜スキー場のナイターの明かりを見ながら、長野市方面へひた走る。
しかし、地獄はその後に待っていた・・・
オリンピック道路から、長野ICまでやってくる前に、ナビから報告が・・・
「ルートに通行止め箇所があったため、変更します」
唖然とする車内・・・
そこ、昨日から通行止めだったじゃねぇか!!ああ、悲しき人間たちよ、機械であるナビに翻弄され、道を誤る・・・
しかしもう、後の祭りだ。
こうなった以上、下道をひたすら行くしかない。車内はしばし静かになる。
だが、これもまだ序の口だった。
通行止めの上信越道沿いをひた走る、ただ一つの道・・・国道18号。
そこが、とてつもない悪路だったのだ。
写真の様子はその路面を捉えたものだが、これはまだマシな方だ。
高速を走れない大型トラックが大挙して押し寄せ、チェーンでズタズタにした雪路がそのまま凍ってしまったのである。そして、高さ数センチの氷のでこぼこ道の完成となったのだ。
ガタガタガガガガガタガタガタ・・・
常軌を逸した振動が延々と車を襲う。
なるべく荒れていない路面を選んで走行するが、反対車線も車の列・・・そして、なんと大渋滞にはまってしまったのだ。
刻々と過ぎる時間・・・ただ、どうしようもない焦りだけが空間を満たしている。
上田市内に入ると、100mで30分かかるような完全な渋滞に。
そして、目の前でトラックがスタックして道を塞いでいる。これではもうどうしようもない。渋滞の後列からドライバーが下りてきて、トラックの運ちゃんとなにやら話している。
やがて、チェーンを装着したトラックはゆっくり動き出したが、渋滞は解消しない。遙か前方で何が起こっているのか・・・
午後9時を過ぎ、ドライバーのMktinも限界の様子だ。だが、まだ長野県・・・
ここで、苦渋の決断を下す。
「泊まるしかない。宿を探そう・・・」
タブレットで検索し、片っ端から電話をかける・・・が!
「本日はすべて満室です」の一点張り。
まじで・・・?
雪の降る長野の見知らぬ地で、宿も見つけられずに車内に閉じこめられている我々の姿は、まさに帰宅難民だった。
最後の手段・・・
その日は、上田市内のマンガ喫茶で夜を明かすことにした・・・
リクライニングソファの半個室(とは名ばかりで、実際は間仕切りでなんとか目隠しされただけの椅子とパソコンしかない空間)はまあ、寝られないことはなかったが、周りの音が丸聞こえなのと・・・とにかく店内が寒く、ソファで寝ながらも何度も目を覚ましてしまった。
熟睡できぬまま午前6時・・・フリードリンクで唯一飲んだホットココアで脳を覚まし、このために会員証を作ったマンガ喫茶を後にする。
マンガ喫茶で宿泊したのは初だが、どうやら他にも帰宅難民が泊まっているらしかった。そもそもマンガ喫茶のほうも「宿泊パック」があるなど、ある程度こういう用途も考えているらしい。布団やベッドとはほど遠い快適さだが・・・
唯一のメリットは、2000円で一泊できたことか。当然風呂もない。昨日の午後に温泉入っておいて正解だった。
さて、今日は本来ならば自宅でゆっくりしている日。
だが、目覚めた地は上田市。そして、相変わらず高速道路は通行止め。
マンガ喫茶で見たニュースだと、国道18号はこの先の碓氷峠でトラックが立ち往生してどうしようもなくなっているらしい・・・
(ちなみに、4日経った現在もまだ立ち往生しているようだ・・・)
この新聞一面を飾る道路閉鎖事件に巻き込まれなかったのは、まさに不幸中の幸いだった。
今回はスタックしやすいトラックが主要道を塞いでしまった形である。
さて、我々が運命を賭けて選んだ道は・・・
そう、来た道を逆戻りし、開通している上信越道「信濃町IC」から再び糸魚川を経由し、当初の予定通り大回りで東名に乗るというルートだ。
この日は除雪車が大活躍したらしく、昨日サスペンションが壊れるのではないかと危惧したほどの悪路だった国道18号も、平らな道になっていた。
とにかく、先を急ぐ!明日は仕事なんだし・・・
信濃町IC手前で、またしてもトラックが数台立ち往生していて、本気でこのまま帰れないのかと危惧したが、何とか通過。
やっと、念願の高速に乗ると・・・ナビには残り760kmを示す表示が・・・
到着時間午後9時半となっているが、これはすべてが順調に推移した場合の時間だ。当時現在で通行止めの東名高速の一部区間が解除されない限り、すべて不確定要素となる。
「まあ、東名に着くのは夕方だし、その頃には進展しているだろう・・・」
この考えは、一年前も思い知ったNEXCOのやる気のなさを甘く見た考えだった!とにかく先を急ぐ我々は、朝マックの持ち帰りで朝飯を済ませ、後はただ走っていた。
しかし、北陸道〜東海北陸道は険しい山道の連続だ。とにかくトンネルの多いこと多いこと。
ふとトンネルの表示を見ると・・・
おいおいおいおいおい、分母が54になってるぞ?マジで54コもトンネルがあるんですか?
・・・はい、マジでした。
とにかくトンネルに次ぐトンネル。しかも一つ一つが長い。
昨日から運転しずっぱのMktinが「トンネルは眠くなる」と不安発言を・・・
運転変わろうにも、めちゃくちゃイジってあるMT車のスイスポMspecは、15年ぶりにMT車を運転するσ(^^)には危険・・・
ドライバーは一人しかいないのだ。頑張れMktin!
高速は富山を抜け、石川を抜け・・・
途中、富山のSAで昼飯。富山名物シロエビの天ぷらあんかけ丼を食ったが旨かった。
・・・まあ、そんな感じで飛騨は白川郷あたりまできたわけだ。
一時期富山ではほとんど無くなったのに、いきなり雪が増えてびっくり。
んで・・・
え?なんで飛騨清見ICで下りてるのかって?
観光?・・・いやいや、んな余裕あるか。
そう、
飛騨清見〜荘川ICの間で事故、通行止め喰らったんですよ!!
しかも、すべての車両が一斉に下りるモンだから、またしても大渋滞・・・
泣きっ面に蜂とは本当にこのことなのだろう。
車内は、イヤな緊張が満ちる。てか、昨日から緊張しっぱなしでホント疲れた。
幸いにも、下りてから荘川ICまではスイスイ流れた。
でも、これで1時間のロス!!!
あれ?高速道路から、なんかでっかいスキー場が見えるぞ・・・?
はい、あれは名古屋民をはじめ関西のスキーヤーやボーダーにはおなじみの「鷹巣スノーパーク&ダイナランド」であります。
うっわ〜スキー場情報雑誌ではよくみるけど、実際見たの初めて♪・・・
ぜんっぜん嬉しくねぇ・・・てか、昨日からいくつスキー場素通りしてるんだよ・・・
いよいよ日が暮れてきた。今日中に帰らないと、本当に明日は仕事。
ほぼ休みなしでアクセルを踏み続けるMktinの、眠気とテンションを上げるために助手席でいろいろ話しかけたりするボク。助手席も戦ってるんだぜ。。。
なんか、夕日に映える格好いい橋キターーー!
一時的に車内はテンションが上がる。
この橋は、豊田アローズブリッジという、愛知県は豊田市にあるなかなか変わった斜張橋だ。総コンクリの主塔が変わった形をしていてgood!
そうか、もう名古屋を避けて走って・・・いよいよ東名に入るんだね・・・
三ヶ日JCTキターーーーーーーーーーーー
いよいよ、やっと、念願の東名高速だ!
時刻はご覧の通り、午前7時前から走ってきてこの時間である。
ここで、東名の情報・・・まだ通行止めらしい。新東名と普通の東名・・・どちらにするか・・・
ちょっとでも先に行ける新東名に決定!
並み居る車がこぞって東名にはいるので、ちょっとビビルが今更後には引けない。
通行止め解除を願って、新東名執着地点「長泉沼津IC」に向けてばく進!
しかし・・・
長泉沼津に近づくと、不穏な文字が高速の電光掲示板に。
「長泉沼津IC、出口渋滞7km、所要時間5時間以上」・・・はぁ???
八方ふさがり。。。
諦めるな!一つ手前の「新富士IC」で下りる!新富士も渋滞との情報だったが、すんなり抜けられてほっと安堵・・・
だが、ここからだ。この富士市からはマジで下道オンリーで帰ることになる。
気を抜くな・・・って、もうすっかり夜。いつ帰れるのかもわからない・・・
ここで助手席のσ(^^)はグーグルマップさんとにらめっこ。渋滞必至の国道1号線を避けて、地元民しか使わないような抜け道をひたすらMktinに指示する。マジで狭い道をすり抜けすり抜け・・・車が動くだけマシな状況である。
一度国道にぶつかったとき、信号一個待つのに20分かかった。もう国道はダメだ。
そのまま抜け道で箱根手前まで抜けきった。
最後の選択肢。
国道1号で箱根越えor国道246で箱根迂回・・・
山がコワイので後者を選びかかったが、途中交差した246の様子をみて
「ダメだこりゃ」
トラックの長い列が遙か彼方まで・・・
国道1号箱根越えに決定!!
当初順調に進み、みんな246に逃げたからこっちは勝ち組だぜ!なんて思ってたら・・・
箱根も、トラックの群れに支配されていたとさ・・・(愕然)
登坂車線をめいっぱい使って抜きまくり。もうなりふり構っていられない。
とにかく少しでも前へ。トラックどもは急坂になるとすぐに詰まりだし、ストレスもどんどん溜まっていく。イヤな道だ・・・箱根に入った以上は逃げ道もないし。
この時点で午後10時半過ぎ・・・もうだめか・・・
だが、ここから快進撃。箱根渋滞ゾーンは、実は頂上過ぎでトラックが(またしても)立ち往生していたからであった。
もう、道という道すべてにトラックが立ち往生している有様である。なんとかしやがれ。
そこを過ぎると一気に加速!たまにある渋滞におびえながらも、大半の車(トラック)が246に流れ込んだおかげで空いた国道1号を突っ走る・・・
夕食もなし、ただひたすら走る。
そして・・・
自宅に着いたのは午前0時前。
疲労しきった我々は、結局丸一日以上車の中に居たことになる。
お疲れ、帰りも気をつけて、Mktin・・・
今回の走行距離、なんと1400km越え。ちなみに、シャルマン火打まで片道370kmである・・・大雪の影響はあまりにも大きかった。
そして、我々が箱根に入った時、ようやくやる気のないNEXCOが東名を開通させたのだった。一足遅いんだよ!!
もう、マジでダメだわNEXCO。高速一本止めるだけで、どれだけの被害が出ていると思っているのか・・・はぁ、もういいよ。言っても仕方ないし。でもな、通行止め区間にそれほど雪があったとも思えないぞ。なんせ、箱根の山越えでさえ道は完全なドライだったんだからな。東名さえ開通していれば、少なくとも2時間は早く帰れたんだぞ。
いや、東名高速は地獄絵図だったよ・・・常に路肩にはトラックの群れが停車しているんだから・・・
もう、首都圏大雪は本当に勘弁してください。