鉄塔・・・それは、高圧線とも呼ばれる日本全国に点在する高層建造物。
それはどんな田舎にも必ず存在する、日本でもっとも多い高層建造物だろう。
高いもので100m超にもなるという、電気大国日本には欠かせない構造物だ。
主要発電所や変電所同士を繋ぎ、水道網とともに最重要なライフラインである。
さて、そんな架空送電線、いわゆる鉄塔であるが、実に様々な種類や構造が存在する。
そんなものが、ふと町中に見えると目をやってしまう。
鉄塔は面白い。
たとえばこんな、多回線鉄塔は、圧倒的な大きさと存在感、いわば電気の高速道路のような重厚感がある。
高電圧鉄塔も同じような雰囲気がある。高電圧鉄塔は、人口の多い主要都市に電気を供給する、主力変電所を繋ぐまさに都市の命である。
このような見た目で「でかい」「重厚な」鉄塔はとにかく高層ビルのようにわかりやすいのだ。
これもなかなかにアツい。
超のっぽ鉄塔の下を、普通に高い鉄塔の送電線がくぐっている。
この写真の超のっぽ鉄塔のような赤白カラーの鉄塔は高さ60m以上の高層建造物だ。
何故か60mを超えても赤白じゃないモノも存在するが、謎である。
送電線の交差は、高さの違う鉄塔が隣り合うというなかなかに楽しい光景である。
こんな鉄塔も非常に面白い。
何が面白いって、上部の送電線架設部分に電線が通っていないのである。
廃止鉄塔以外でこのような状況は、架設想定区間で、いずれここに電線を通す計画があることを示すのだ。要するに「開発の計画がある地域」にこの系統が多い。
このように見た目が違う鉄塔も存在する。
これは「環境調和型鉄塔」といい、町の景観を損ねないように工夫された素材や色で鉄塔が組まれている。
この場合は都市部でよく見る丸形鉄柱を組み合わせた鉄塔だ。色もベージュとおしゃれ。
・・・え?もっとわかりやすい「面白い鉄塔」はないのかって?
ありますとも!
偶然ネットで見つけ、偶然話にきくとウチの近くだった、という鉄塔が!
その異様な姿に、絶対一度見てやろうと思い、このたびのバイク購入にあわせて訪問してきた。
その鉄塔の名は「用田線 15号鉄塔」という。
ご覧いただこう。
これだ!
・・・あれ?全然普通じゃないか?
そう、架線部分はごく普通の4回線鉄塔である。
だが!目線をしたにやると、
この鉄塔がおそらく日本で唯一無二である異様さがわかるのだ!
ていうか、まずこの全容が見えるんだけどね。
なんじゃこりゃーーー!!!超大股・踏ん張り鉄塔!!!こんな鉄塔見たこと無いでしょ?はい、σ(^^)もありませんでした。
なんつーか、スゲー。
普通は費用の面からも、用地面積を最小限に抑えて建てるのが鉄塔である。
そこでこの超大股鉄塔である。どう見ても股の内部は鉄塔用地ではない。
気になる大股の内部(本来なら鉄塔用地部分)の場所は、業務用のようなトラックの駐車場となっている。
横は工場のようだが・・・この工場の用地が買収できなかったために、やむなくこのような形式を取ったのだろうか。
・・・謎である。
(おそらくそのままであろうが)
周囲が金網で囲われ、入れない状況だったので、詳しいことはわからない。鉄塔の足部分も確認できなかった。
前後の鉄塔はもちろん普通の鉄塔だ。
こんな謎に包まれた超インパクト鉄塔、一ファンとして逃す手はなかった。
このために片道20キロ、バイクの慣らし運転がてら行ってきたのである。
下から見上げたインパクトは、日本建造物史上に残したい傑作鉄塔だった(かなり大げさ)。