先日からの続き。
朝、起きるとノドが痛かった・・・(´・д・)
風邪が完治していなかったうちに結構無茶したりしたから、ノドの痛みだけがず〜っと長引いていて非常に困る。
まあさておき、二日目スタートだ!
天候は今日も快晴。梅雨の晴れ間を見事に射貫いた、晴れ男ツアーである。
今日もがんばってくれ、スイフトスポーツM-spec!
しかし今日はなかなかの山道を往くことになる。始まる前から心配だ・・・(サスペンション的な意味で)
そして一路、乗鞍高原方面を目指す。
おおっと(wiz風)
ここでこの先の道路状況を示唆する道路またぎ看板が現れた!
その通り、まもなくワインディングがはじまり・・・路面の細かな凹凸も増えたのである。
しかしσ(^^)はウキウキ(死語)であった。
それもそのはず、このルート(国道158号線)は、上高地へ続く全国的に有名な観光道路であると同時に・・・
ダムマニアには有名な「安曇三大アーチダム」の付随道路でもあるから、である!!
安曇三ダムは規模的に「末弟」「次兄」「長兄」の順で現れ、進めば進むほどダイナミックなダムを拝めるという超お勧めスポットなのだ!
ちなみに、こいつが末弟である「稲核ダム」だ。
小さいながらも堤体(ていたい)上にクレストゲート5門(非常用洪水吐)が配置されている、一番ダムっぽいダムである。ダム高さ(堤高)は60mの中堅ダム。
写真に撮れなかった位置に、常用洪水吐のバルブが1門ある。
もっといい位置(正面から)も写真が撮れるが、ダム萌えはσ(^^)だけだったし、あくまで上高地が目的だったので短めの見学となった。
なお、堤体上(天端)は立ち入り禁止であった。
そして、なおも山道を進むこと数キロ、やがて見えてくるのは・・・
次兄である「水殿ダム」である!
ダム高さは稲核ダムの1.5倍以上、かなりの迫力だ。
つるんとしたシンプルな堤体、吐水口やゲートは見あたらない。
かわりに、堤体横にあるこの写真の装置こそがゲート(非常用洪水吐)であり、ラジアルゲートが2門設置されている。
鋼鉄のアームで開閉するラジアルゲートの機構部分が大迫力の大きさである。写真に撮り忘れたが、洪水吐の先はスキージャンプ式という珍しい導水部となっている。
このダムをそれぞれ一つの写真のみで紹介しなければならないほど、今回は写真が多いのである。
さて、いよいよ・・・
ウネウネと曲がりくねる、文字通りの山道である国道158号線が行き着く場所がここだ。
この先左手に折れたあとすぐに隧道へ突入する。
その名も「入山隧道」は、なんと世にも珍しい構造をしている。
写真を見ての通り、隧道内分岐をしているのだ。車内からのワンチャンス撮影のためぶれているが、許していただきたい。
この分岐を直進方面へ行くと県道になり、野麦峠スキー場があるが、今回は左折、上高地方面である。
曲がって隧道を出るとすぐに目の前に現れたのが・・・
長兄「奈川渡ダム」である。
でかい!!!とにかくでかい!!!!
アーチダムのすべてがとても写真一枚には収まらない。
ダム高さは次兄、水殿ダムの1.5倍以上、なんとアーチ式国内3位を誇る155mもの巨大ダムである。
我が神奈川の誇る平成巨大ダム、宮ヶ瀬ダムと1mしか違わないし、宮ヶ瀬はよくある重力式コンクリートなのに対し奈川渡は大迫力のアーチ式という・・・
ダム天端上を国道158号線がそのまま通過しているという、世にも珍しい国道一体型ダムでもある。
(神奈川にも同様な形式で城山ダムがあるが、大きさはこちらの方が桁違いに大きい)
・・・まぁとにかく凄いダムなのだ。
天端で撮影をするメンバー二人を撮ってみた。
この写真くらいがスケールの大きさが若干伝わるのではないかと思う。
全景を撮った場合、人間は豆粒になるのでおよそ雑記向けではなくなる。
アーチ式ダムには「キャットウォーク」という点検用の簡易歩道がついている。
作業員はここを歩いて堤体の様子を点検するのだが・・・
どうも、このダムはあまり使われていないようだ。曲がり、折れて落ちてしまっている。
そもそも自然環境が相当厳しい環境であろう(特に冬期)から、そのせいかもしれない。
ダム脇にある巨大な鋼鉄のクレーン。60tonと書いてある。石川島播磨製のものだ。
webで調べると、どうやらダムの予備ゲートを動かすためのガントリークレーンらしい。
クレーンの下にはレールが走っていて、ある程度自走できるようだ。
このダムもつるんとしていて堤体上にゲートやバルブが見あたらない。
それはダム直下に発電所を建設したためである。
この巨大な水門は非常用洪水吐。ローラーゲートが2門あるようだ。これも石川島播磨製である。
かつては門の裏側に回ってゲート内部の導水トンネルが目視できたらしいが、今は立ち入り禁止。非常に残念だ。
(余談だがweb上で導水トンネルの写真を見ると、超〜怖い)
ダムを見学する際は、堤体のみに気をそがれてはならない。
ダムを造る際に谷を削り、山を崩し、道を通し地形を整える作業に膨大な時間と経費がかかっているからだ。
奈川渡ダムはそれがとてもわかりやすい。ダム堤体下右岸方面を見ると、写真のような光景が目にはいるからだ。
もはや訳がわからないくらいに複雑怪奇にコンクリートで補強された岸壁。
この直下には発電所があり(写真でも少し見えている)、絶対に崩落など起きてはならない「超重要拠点」であるからこそ、この頑丈な補強がされているのである。
なお、発電用の水路は目視できない位置を流れている。堤体上にゲートがない理由だ。
ああ、だいぶ興奮してしまった。安曇三ダムはすばらしかった。
その後の道中で撮れた、この旅一番のお気に入り写真がこれだ!
車の中から偏光レンズで反射を抑えて撮ったワンチャンスの隧道出口付近の写真。
露光もバッチリ決まって嬉しかった。
この写真の感じが、この国道158号線という決して立派ではない山岳国道の何たるかを示していると言っていい。
乗鞍高原でスイフトの流し撮りを決行したが、超ド素人のσ(^^)にはうまく撮れなかったので省略。
帰り道、日本を代表する観光道路っぽい風景に出くわした。
大型観光バスが狭隘な隧道に突っ込んでいく。当然車線を割ってしまい、隧道内すれ違いを不可能にしている。
このあたりの道はダム建設当時の道であり、昭和40年付近の規格である。現代の大型観光バスの通行は考慮されておらず、このような現象になるのだ。
今日は平日だからいいけど、週末はこいつが原因で渋滞になるという。
さて、山を下りた後は安曇野を代表する観光地へ行く。
これはわさび丼とわさびそば。
そう、ここはわさび生産日本一を誇る、大王わさび農場である。
平日だというのに観光バスも停まり、ずいぶんと観光客が来ているようだった。
(例によって平日は中国人が多いが・・・)
わさびソフトも食す。
量がかなり少なくて、これで300円はなんだか観光地価格を思い知った気分だ。
この後、本わさびを1000円で購入。でも、すり下ろし用の鮫肌おろし金を買い忘れたぁ!
旅もそろそろ終盤・・・
ここで道中、暇な同乗者が気になり出すのが、昨晩盛り上がったアレである。
見事な鉄塔だ。山岳地帯にもめげずにしっかりと電線を張っている。
相変わらず車内からのワンチャンス撮影のため、目の前の電線が邪魔だが許していただこう。
ちなみに鉄塔上部が赤く塗られているのは、航空用の昼間障害認識用の規則に則ったモノである。ようするにでかいヤツだ。
マニアック合宿ツアー。最後に立ち寄ったのが岡谷近くにある「スカイライン・ミュウジアム」である。何故か「ミュウジアム」だ。
1000円の入場料の割に・・・う〜ん、な感じ。
狭い展示場内に所狭しと歴代スカイラインが並べられている・・・だけ、である。
スカイラインファンや所有者以外はそれほど楽しめるものでもない。
つっても、スカイラインクッキー(550円)買って帰ったけどな!
写真は、みんな大好きスカイラインの名車中の名車、「ハコスカGT-R」である。
さあ、本格的に東京方面へ・・・
長いようで短い、ツアーもおわりである。明日から仕事したくねぇー!と全員が思いつつも、σ(^^)のレンズがねらうのは、高速道路に沿うように山岳を行く送電線高圧鉄塔群なのであった・・・
夏の長野。冬はよく行くが、なかなか、いや素晴らしい場所だった。
高原主体なので涼しいし、何より自然環境がバツグンである。特にどこを観光するわけでもなく、山道をドライブするだけでも、十分癒されるような旅であった。
・・・まあ、本当に天気が良かったことで救われたのが大きい。