震災関係のことばかりボヤいていてもしょうがないので、雑記を通常に戻すことにする。
さて今、唯一飼育しているミールワームだが、観察日記を書かない間にずいぶんと成長し、とうとう蛹→羽化し、今は成虫としてのチャイロコメノゴミムシダマシが飼育ボックスに10匹以上いるという状況だ。
ミールワームボックス、蛹ボックス、成虫ボックスと3つの箱で飼育中である。
今回は成虫へとなる課程を写真付きでご覧いただこう。
ミールワーム関係はかなり写真に撮っているが、掲載するのは初かもしれない。
こいつらは見た目ヤワくてキモそうだが、実際は外皮が硬く、甲虫の類なのでまったくそのあたりの気持ち悪さはないので安心していただきたい。
(それでもイヤだという人はスルー推奨)
まず、ミールワームから蛹へと脱皮する際の様子が、本日ようやく撮影できた。
これまで100体に迫る蛹を見てきたが、課程を捉えることが出来ていなかった。いつの間にか蛹になっちゃっていたのである。しかし今回、その途中の個体を運良く発見できた。
まさに、ミールワームとして最後の脱皮を行っている最中である。
背中が割れて、真っ白な蛹として生まれ変わろうとしているところがわかるだろうか。
しかしこの個体、どうもこのまま動けなくなってしまったらしい。そのトラブルのおかげで撮影できたのだが、いつまでたってもいっこうに皮を脱ぎ捨てる気配がないのだ。
脱皮失敗かもしれないが生きているので、様子を見ようと思う。
さて、次に蛹の変化を見ていただこう。
当然だが蛹のまま数日微動だにせずに(触ると激しく動くが)いるため、そのままミールワームボックスにいると共食いされてしまうため、蛹ボックスに移動してから撮影。
左が脱皮したばかりの蛹、右はそろそろ成虫へと最終脱皮しようとしている蛹だ。
徐々に色がついてきて、成虫としての頭部、足、そして羽が形成されていくのがわかる。全体としても茶色っぽく変色していく。
そしてコレも偶然撮影できた、成虫へと変化する・・・すなわち「羽化」する瞬間の写真である。
十分に色づいた蛹は、やがて丸まっていた体をまっすぐに伸ばし、羽化へと移行するのだ。
羽化への段階がわかるだろうか。
まっすぐに体を伸ばし、足や腹の皮を脱ぎ捨てるのだ。
この後、完全に皮から脱出した後もしばらく仰向けでじっとしている。
そして、おもむろにじたばたし始めると、歩き出して体が硬化するまで隅っこやパン粉の中でさらにじっとしているのだ。
ミールワームはこうして、ようやくチャイロコメノゴミムシダマシになれたのだ。
最後は、羽化したばかりの成虫と、十分硬化したあとの成虫を比べていただこう。
色の変化は顕著で、羽化して数時間後には色づきが始まるようだ。
二匹を並べていたのだが、こいつらはすぐにパン粉に潜りたがる(=光を嫌う)ので、カメラを用意している間にバラバラになってしまう。撮影には思いの外苦労した。成虫になって動きが増えたことも撮影が難しい一因だ。
羽化したばかりのチャイロコメノゴミムシダマシは白くて美しい。硬化してしまうと焦げ茶色一色のボディになってしまうので、ツートンカラーなのもわずかな間である。
余談だが、羽化最中に共食いされた個体がいた。
足などを食われ、よくみると腹部も食われていたが、ほぼ頭部だけになってもまだこの個体は生きていた。生命力は相当強いのかもしれない。
当然これ以上の共食いは避けるべきで、羽化専用容器を用意する羽目になった。色づいた蛹はこの容器で羽化を待ち、羽化して動けるようになったら成虫ボックスへ移行できるという算段である。
エサとして飼われたミールワームが無事に羽化できた。とりあえず一通り観察できて嬉しさとともに、生命というものを改めて深く考えるきっかけになった。ありがとうミールワーム。
ところで、いま成虫15くらい、蛹100弱、幼虫は引き算で150強いることになる。これがそのうち全部成虫になると思うと、また飼育ボックスを作らなければならないのかもしれない。
産卵とかもするだろうしなー。